水分不足と肩こりは関係ある?水分補給との関係を解説
私は、肩こりがある方は、姿勢や筋肉だけでなく普段の水分摂取も確認した方がよいと考えています。
当院で肩こりの施術や運動指導をしていると、水分量について伺ったときに「仕事に集中していてほとんど飲んでいませんでした」「気づいたら夕方まで水分を取っていませんでした」と話される方がいます。
また、身体の状態がなかなか整わない方や、運動中に肩や脚がつりやすい方の中にも、水分摂取が少なかったり、汗をかいているのに十分に補給できていなかったりするケースがあります。
そのため私は、肩こりをみるときに水分量も生活習慣の一つとして確認しています。
一方で、「肩こりは姿勢や筋肉の問題だから、水分は関係ないのでは?」「水を飲んだからといって肩こりが変わるわけではないのでは?」「筋肉がつることと肩こりは別なのでは?」という考え方もあります。
ここからは、こうした疑問について一つずつ考えていきます。
肩こりは姿勢や筋肉の問題で、水分は関係ない?
肩こりというと、長時間のデスクワークやスマートフォン、姿勢、首や肩の筋肉への負担などを思い浮かべる方が多いと思います。
確かに、こうした要素は肩こりを考えるうえで大切です。
ただ、私は「肩や首の筋肉だけを見るのではなく、その筋肉が働いている身体全体の状態も見る必要がある」と考えています。
筋肉も身体を構成する組織の一つです。身体全体の水分状態が崩れれば、筋肉を含めた身体のコンディションにも影響します。
そのため、「肩こり=姿勢だけ」と考えるよりも、水分摂取を含めた生活習慣まで確認した方が、身体の状態をより広く見ることができます。
身体の約50〜60%は水分でできています
成人の身体は、体重のおよそ50〜60%が水分で構成されています。
水分というと血液や汗をイメージしやすいですが、水は身体のさまざまな場所に存在しています。
細胞の中や外にも水分があり、栄養素を運ぶこと、体温を調節すること、身体の中で不要になった物質を運ぶことなど、身体の働きを支えています。
つまり、水分は「喉が渇いたときに飲めばよいもの」だけではなく、細胞や筋肉を含めた身体全体が働くために必要なものです。
この点から考えても、水分摂取がかなり少ない方の身体の状態をみるときに、水分をまったく考えないというのは不自然だと私は考えています。
水を飲んだからといって肩こりは変わらないのでは?
「水を飲めば肩こりが楽になるのなら、みんな水を飲めばいいのでは?」という疑問もあると思います。
私は、水を飲むことだけで肩こりが決まるとは考えていません。
ただし、普段ほとんど水分を取れていない方であれば、その状態をそのままにして施術や運動だけを行うよりも、水分補給を含めた生活習慣を一緒に整えていく方がよいと考えています。
姿勢を整える、身体を動かす、施術を受ける。こうしたことと同じように、身体が必要としている水分をきちんと取ることも基本的な生活習慣の一つです。
当院で水分量を聞くと初めて気づく方もいます
当院では、肩こりの方に検査や施術を行う中で、普段の水分量について伺うことがあります。
すると、「今日は朝からほとんど飲んでいません」「仕事に集中していて飲むのを忘れていました」「気づいたら夕方になっていました」と答えられることがあります。
興味深いのは、ご本人が水分不足を意識していたわけではなく、質問されて初めて「そういえば全然飲んでいなかった」と気づくケースがあることです。
特に仕事や作業に集中している方では、水を避けているわけではなく、水分補給そのものを忘れていることがあります。
私が日々みている中では、身体の不調が続いている方や、身体の状態が整うまでに時間がかかっている方の中に、水分摂取が少ない方がみられることがあります。
これは当院での観察であり、水分不足だけが原因だという意味ではありません。
ただ、こうしたケースを繰り返しみているため、私は肩こりの方にも水分量を確認する意味があると考えています。
筋肉がつることと肩こりは別の話では?
運動中に脚がつるという話はよく聞きますが、「肩がつることと肩こりは別ではないか」と思う方もいるでしょう。
確かに、筋肉がつることと肩こりが同じものだという意味ではありません。
ただ、当院で運動指導をしていると、運動中に肩や脚の筋肉がつるような感覚を訴える方がいます。
そのような方に水分摂取について聞くと、普段から水分量が少なかったり、運動で汗をかいているにもかかわらず十分に補給できていなかったりするケースがあります。
また、肩がつりやすい方が普段から肩の張りやこりを感じていることもあります。
これだけで「水分不足が肩こりを起こしている」と証明することはできませんが、筋肉の状態を考えるときに水分や発汗量を確認する意味はあると私は感じています。
汗をかくと水分だけでなく電解質も失われます
運動などで汗を多くかいたときは、水分だけでなくナトリウムなどの電解質も失われます。
そのため、運動中や暑い環境で大量に汗をかいた場合は、水だけではなく電解質についても考える必要があります。
スポーツドリンクは、水分と電解質を補う方法の一つです。
ただし、普段から大量に飲む必要はなく、運動量や汗の量に合わせて利用するのがよいでしょう。
当院でも、運動指導中に汗を多くかいている方については、水分を取れているかどうかを確認するようにしています。
施術だけで肩こりをみない理由
私は、肩こりを良くしていくには、施術だけではなく患者さん自身の生活習慣も一緒に整えていく必要があると考えています。
院では姿勢や身体の使い方を確認し、必要に応じて施術や運動指導を行います。
しかし、院にいる時間よりも、仕事や自宅で過ごしている時間の方が圧倒的に長くなります。
そのため、日常生活の中でできることも一緒に変えてもらう必要があります。
水分摂取が少ない方には、「施術だけでなく、仕事中もこまめに水分を取ってみてください」「朝からほとんど飲んでいない日は、意識して補給してみましょう」とお伝えしています。
すると、「なるべく取るようにします」と答えられる方もいます。
水分補給は特別なセルフケアではありませんが、身体の状態を整えていくために患者さん自身が取り組めることの一つです。
肩こりがある人はどのくらい水分を取ればいい?
一般的な日常生活では、食事に含まれる水分とは別に、飲み水として1日約1.2Lが一つの目安です。
500mlのペットボトルで考えると、約2本半になります。
1日に身体へ取り入れる水分は飲み物だけではなく、食事にも含まれています。
そのため「1日に必ず2Lの水を飲まなければならない」と考える必要はありません。
まずは、自分が普段どのくらい水分を取っているのかを確認してみましょう。
「朝から夕方までほとんど飲んでいない」という方であれば、かなり少ないことに気づくはずです。
水分補給についてさらに詳しく知りたい方は、水分補給と健康についての記事もご覧ください。
水分はこまめに取る方が続けやすい
水分は、一度にまとめて飲むよりも、生活の中でこまめに取る習慣を作る方が続けやすくなります。
特に仕事に集中すると飲むことを忘れてしまう方は、水分を取るタイミングを決めておくとよいでしょう。
- 朝起きたとき
- 食事のとき
- 仕事の休憩中
- 運動の前後
- 入浴の前後
デスクワークで肩こりが気になる方であれば、休憩のタイミングで一度立ち上がり、そのときに水分を取るという方法もあります。
身体を動かすことと水分補給を一緒に行うようにすると、仕事中にも取り入れやすくなります。
仕事やスマホに集中している人ほど水分量を確認してみましょう
当院で水分量を聞いていて特に感じるのは、「飲みたくない」のではなく「飲むのを忘れている」方が多いことです。
デスクワークやスマートフォン、細かい作業などに集中していると、数時間同じことを続けてしまう場合があります。
その間、身体を動かす機会が減るだけでなく、水分補給のタイミングも逃しやすくなります。
また、睡眠不足やストレスなどで生活に余裕がないときも、食事や休憩、水分補給が後回しになることがあります。
肩こりが気になったときは、姿勢を確認するのと同じように、「今日はどのくらい水分を取っただろう?」と一度振り返ってみてください。
まとめ|だから私は肩こりの方に水分量も確認しています
私は、肩こりがある方で水分摂取が少ない場合は、水分補給も一緒に見直す価値があると考えています。
「肩こりは姿勢や筋肉の問題だから水分は関係ない」という考え方もあります。
しかし、身体の約50〜60%は水分で構成され、水分は細胞、筋肉、栄養素の運搬、体温調節など、身体のさまざまな働きに関係しています。
また、「水を飲んだからといって肩こりが変わるとは限らない」という意見もあります。
それでも、実際に当院で肩こりの方や運動指導をしている方をみていると、水分をほとんど取っていなかったり、仕事に集中して飲み忘れていたり、汗をかいているのに十分に補給できていなかったりするケースがあります。
そのため私は、肩こりをみるときに姿勢や筋肉だけを見るのではなく、普段の水分量も確認しています。
水分摂取が少ない方には、「施術だけでなく、仕事中もこまめに水分を取ってみてください」「朝からほとんど飲んでいない日は、意識して補給してみましょう」とお伝えしています。
一般的な日常生活では、食事に含まれる水分とは別に、飲み水として1日約1.2Lが一つの目安です。
肩こりが気になる方は、まず今日、自分がどのくらい水分を取っているのか確認してみてください。
肩や首のつらさについて詳しく知りたい方は、肩こりの原因・症状・当院の施術についてもご覧ください。

