腱鞘炎で手首や親指が痛くても、赤ちゃんの抱っこや毎日の料理、仕事のパソコン作業は止められません。「安静に」と言われても、実際には手を使い続けている方がほとんどです。
この記事では、手を休めきれない生活の中で、手首や指への負担を少しでも減らす工夫をまとめました。大和市・高座渋谷のポポの木整骨院で、施術のあとに手の使い方をお伝えしている院長が書いています。症状や施術の全体像は腱鞘炎のページでご紹介しています。
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休めないときは「痛む動きの回数」を減らします
手をまったく使わない生活は、仕事や育児をしていると現実的ではありません。そこで目標を「痛みが出る動きの回数を減らす」に置きかえます。
腱鞘炎の痛みは、特定の角度や力の入れ方で強く出ることが多いものです。その動きだけを別の手の使い方に替えられれば、手を使う量はそれほど変わらなくても、痛む回数は減らせます。
腱鞘炎で手首や指が痛くなる仕組み
指や手首を動かす腱は、腱鞘というトンネルの中を通っています。日本整形外科学会の解説では、使いすぎで腱鞘が厚くなったり、腱の表面が傷んだりすると説明されています。刺激が重なると、炎症がさらに続きやすくなります。
代表的なのは次の2つです。
- ドケルバン病:手首の親指側が痛み、腫れます。親指を広げる・伸ばす腱の通り道で起こります。くわしくはドケルバン病のページへ。
- ばね指:指の付け根が痛み、曲げ伸ばしで引っかかります。朝に症状が強いことが多いとされています。くわしくはばね指のページへ。

どちらも、妊娠・出産期や更年期の女性に多いとされています。ドケルバン病は、手を多く使う仕事やスポーツをする方にも多いとされています。ばね指は、手をよく使う方や糖尿病などの持病がある方にも多いと書かれています。
手を休められないときの負担の減らし方
まず、どの動きで痛むかを確かめます
英国スコットランドの公的医療サービス(NHS Scotland)の患者向け資料があります。そこでは、ドケルバン病はつまむ動き、握る動き、手首を左右に振る動きで痛みやすいとされています。1日の中で、どの場面にこの動きが入っているかを思い出してみてください。
たとえば、ペットボトルのふたを開ける動きは、握りながら手首をひねる動きです。痛む場面が分かると、替える動きも見えてきます。
場面ごとの工夫

抱っこ
親指と人差し指を大きく開いて、わきの下から持ち上げると親指側に負担がかかります。手のひら全体と前腕で赤ちゃんの体を下からすくうように支えると、親指を広げずに済みます。抱っこひもやクッションを使い、手だけで支える時間を短くしてください。
スマートフォン
片手で持って親指で操作すると、親指を伸ばしたまま細かく動かし続けることになります。机に置くか両手で持ち、痛くない側の人差し指で操作してみてください。
パソコン
手首を反らせたままキーボードを打つと、前腕から手首にかけて力が入り続けます。キーボードの手前にタオルを置いて手首の高さをそろえ、マウスは体に近い位置に置きます。
料理・家事
重い鍋は両手で持ちます。ぞうきんやふきんを絞るときは手首を強くひねりやすいので、絞る作業はできる範囲でほかの方法に替えてください。包丁を持つときも、痛む側の親指に力をこめない持ち方を探してみてください。
冷やす、サポーターで支える
先ほどのNHSの資料では、冷やす方法も紹介されています。タオルで包んだ保冷剤などを、痛む所に15〜20分当てます。回数は1日3回までが目安です。冷やしすぎないよう、肌に直接当てないでください。
同じ資料では、親指と手首を固定する装具を、痛みが出る作業をするときに日中着ける方法も挙げています。締めつけすぎないことが条件です。市販のサポーターを使う場合も、指先の色が悪くなる、しびれるといった変化があれば外してください。
職場や家族に、手を使う作業を一部お願いする
手を休められない理由が仕事なら、作業の分け方を職場に相談してみてください。NHSの資料でも、仕事が原因と思われる場合は職場の産業保健に相談する方法が挙げられています。
伝えることは、痛む動きと、その動きが入る作業の2つで十分です。たとえば「重い箱を持ち上げる作業だけ外してほしい」と具体的に伝えると、職場も調整しやすくなります。
家庭でも同じです。布団の上げ下ろしや、ふきんを絞る作業など、痛む動きが多い家事だけでも家族と分けると、手首を使う回数を減らせます。
痛みが強い時期に控えたいこと
痛む所を自分で強くもむのは控えてください。痛みを我慢して手首を大きくストレッチするのも同じです。腱と腱鞘への刺激が増え、痛みが長引くことがあります。ストレッチは、痛みが落ち着いてから、痛くない範囲で行います。
先に医療機関を受診してほしいサイン
次のようなときは、整骨院より先に整形外科などの医療機関を受診してください。
- 手首や指が赤く腫れて、熱をもっている
- 熱が出て、体がだるい
- 指や手にしびれがある、力が入りにくい
- 指が曲がったまま伸びない、引っかかって動かない
- 転んで手をついた、ぶつけたなど、ケガのあとから痛む
- 工夫を続けても痛みが軽くならない、または強くなっていく

NHSの資料では、症状は6〜12週間で落ち着くことが多いとされています。それでも落ち着かない場合は、医師などに相談するよう書かれています。日本整形外科学会のドケルバン病の解説でも、保存療法で改善しない場合や再発を繰り返す場合には手術を検討するとされています。
当院でも、しびれがある方には、まず感覚と筋力を確かめるテストを行います。神経の働きもあわせて確かめます。その結果、医療機関での検査が必要と考えられるときは、施術を行わずに受診をおすすめしています。
ポポの木整骨院で腱鞘炎をみるときの順番

腕は、鎖骨と肩甲骨を介して体につながっています。そのため私は、腱鞘炎の方の手首や肘に加えて、肩と鎖骨まわりの関節も一緒にみています。鎖骨まわりの関節とは、肩鎖関節と胸鎖関節のことです。
初回はおよそ60分です。流れは次のとおりです。

- 痛む動きと、ふだん手をよく使う場面をうかがいます。
- AI姿勢検査(約10分)で姿勢を確認します。
- つらい動きをしていただき、どこで動きが止まるかをみます。体の土台として、足首・膝・骨盤のバランス(骨盤トライアングル理論)も確認します。
- 深部整体(約30分)を行います。軽いストレッチを加えながら腕を回し、手首や肘に「遊び」をつくります。関節の中の小さなすべりを引き出す「関節包内運動」も使います。
- インナーマッスル(体の奥にある小さな筋肉)の再学習と、土台の調整(約10分)を行います。
- 家や職場での手の使い方をお伝えします。セルフケアは資料にしてお渡しします。
痛みが強い時期は、痛む腱を直接もむことはしません。呼吸と、痛む所から離れた場所から始めます。急な強い痛みには、ハイボルト(高い電圧の電気刺激)を使うこともあります。施術の前後で同じ動きをしていただき、変化を一緒に確かめます。
通う頻度と料金、健康保険について
最初は週1〜2回、落ち着いてきたら週1回、2週に1回と間隔をあけていきます。ご自分で調子を保てるようになったら卒業です。
初回料金は、全身を整える「トータルヘルス」が3,980円、部分的に施術する「トータルボディ」が3,500円です。ハイボルトを使う場合も初回料金に含まれます。2回目以降は、深部整体の通常料金が7,700円です。トータルヘルスは、回数券やサブスクを使うと1回あたりおおむね4,500〜5,000円です。トータルボディは3,500円からです。特に初めのうちは、全身を整えるトータルヘルスをおすすめしています。
整骨院で健康保険が使えるのは、骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷などのケガに限られます。骨折・脱臼は、応急手当を除いて医師の同意が必要です。使いすぎで少しずつ痛くなった腱鞘炎は健康保険の対象外で、自費での施術になります。
よくある質問
サポーターは一日中着けたほうがいいですか?
痛みが出る作業をするときに着ける使い方が基本です。きつく締めたまま長時間過ごすと、かえって手がむくむことがあります。着ける時間や場面に迷うときは、来院時にご相談ください。
産後で子どもを預けられません。連れて行ってもいいですか?
お子さん連れで来院できます。女性スタッフも在籍しています。
仕事帰りでも間に合いますか?
月〜土曜と祝日は22時まで営業しています(最終受付21:00)。日曜は休業日です。
アクセスとご予約
小田急江ノ島線「高座渋谷駅」西口から徒歩3分です。専用の駐車場はありません。最終受付は21時なので、仕事帰りに駅で降りて、そのまま寄っていただけます。手首が痛くて重い荷物を持ちにくい方も、駅から歩いてお越しいただけます。

住所:神奈川県大和市渋谷5-37-9
営業時間:月〜土・祝 9:00〜22:00(最終受付21:00)、日曜は休業日
電話:046-267-1130
ご予約・お問い合わせ:お問い合わせフォーム
手のしびれが気になる方は手指の痺れのページも、手のお悩み全体は手のお悩みのページもご覧ください。
出典
- 日本整形外科学会「ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)」 https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/de_quervain_disease.html
- 日本整形外科学会「ばね指(弾発指)」 https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/snapping_finger.html
- NHS Scotland「De Quervain’s Tenosynovitis (DQT): A guide for patients」 https://www.rightdecisions.scot.nhs.uk/patient-information-leaflets/primary-community-services/physiotherapy/de-quervain-s-tenosynovitis-dqt-a-guide-for-patients/

