交通事故のあと、「整骨院に通いたいけど、保険会社に何て言えばいい?」「3か月で打ち切りと言われたらどうしよう」「示談の書類が届いたけど、もうサインしていいの?」と、からだのつらさとは別の不安を抱える方は少なくありません。
この記事では、整骨院への通院を考えている方に向けて、保険会社への確認・通院期間・治療費と慰謝料・示談・後遺障害の順に、知っておきたいことを1ページにまとめました。
保険の支払いや手続きの判断は保険会社が、示談や賠償金額の判断は弁護士などの専門家が行います。ここに書いたことは「何を確認すればいいか」を整理する目安としてお使いください。
先にお伝えしたいこと
- 整骨院に通いたいことは、通い始める前に保険会社へ伝えておく
- 「3か月」「6か月」は通院の期限ではない。続ける必要があるかは主治医に相談する
- 治療中や症状固定の前に、示談を急がない
- 手足に力が入らない・意識がぼんやりするなどの症状があるときは、手続きより先に医療機関へ
保険会社へ電話する前に手元にそろえること
担当者との電話は一度で終わらないことが多く、聞いた内容を忘れてしまうこともあります。メモを1枚用意して、分かる範囲で書き出しておくと話が早く進みます。全部そろっていなくてもかまいません。
- 事故の日時と場所
- 相手の名前・連絡先、車のナンバー、加入している保険会社
- 警察へ届け出たかどうか
- 受診した医療機関の名前と受診日、診断されたケガの部位、整骨院に通うことへの医師の了承
- 今つらい部位と、困っている動作(振り向けない、長く座れないなど)
- 通いたい整骨院の名前・住所・電話番号
最後の項目は見落とされがちです。当院の場合は「ポポの木整骨院、電話046-267-1130」と伝えていただければ大丈夫です。
保険会社に聞いておきたいこと
| 確認したいこと | 質問の例 |
|---|---|
| 担当窓口 | 担当者のお名前と直通の連絡先を教えてください。 |
| 支払いの窓口 | 相手方の任意保険会社がまとめて支払う扱い(一括対応)になっていますか。 |
| 整骨院への通院 | 整骨院に通いたいのですが、始める前に必要な連絡や手続きはありますか。 |
| 整形外科との併院 | 整形外科に通いながら整骨院にも通う場合、気をつけることはありますか。 |
| 費用と書類 | 施術費や通院の交通費について、必要な書類と提出先を教えてください。 |
言い方に迷ったら、「〇月〇日の事故で首と腰が痛く、〇〇整形外科を受診しました。仕事帰りに通いやすいので、ポポの木整骨院にも通いたいと考えています。始める前に必要な手続きはありますか。」のように、実際の事情をそのまま伝えれば十分です。電話を切ったら「日付・担当者名・要点」だけでもメモしておきましょう。
通院先を変えたい方、整形外科と一緒に通いたい方は、転院・整形外科との併院についてもご覧ください。
交通事故の治療期間は「3か月・6か月」で決まるわけではありません
他の整骨院へ約3か月通ったものの腰痛が続き、当院へ転院された方がいらっしゃいました。来院時には「もう3か月通っていますが、あとどれくらいかかりますか?」「このまま通っていると、治療費の対応を打ち切られませんか?」と不安を話されていました。
むちうちや捻挫では、3〜6か月程度が一つの目安として紹介されることがあります。ただしこれは「3か月で終わり」「6か月までしか通えない」という意味ではありません。自賠責保険にも「事故から6か月で終了」という一律の期限はありません。通院期間は、事故の衝撃、症状の強さ、回復の経過、生活への支障などによって変わります。
保険会社から治療費の打ち切りを言われたら
「そろそろ治療終了ではありませんか」「今月で一括対応を終了します」と案内されることがあります。ここで大切なのは、保険会社の対応が終わることと、からだにとって治療が必要なくなったことは、同じ意味とは限らないという点です。
- 主治医に、いま残っている症状と生活で困っていることを具体的に伝える
- 今後も治療が必要か、医師に相談する
- 症状や通院の経過を記録しておく
- 保険会社とのやり取りで判断が難しいときは、弁護士などの専門家に相談する
「痛い」だけでなく、「前かがみができない」「長時間座れない」「仕事がつらい」「眠れない」など、実際に困っている動作を伝えると状態が伝わりやすくなります。
症状固定とは
治療を続けても、これ以上大きな改善が見込めない状態を「症状固定」といいます。痛みが完全になくなったという意味ではなく、「6か月たったら自動的に症状固定になる」というルールもありません。症状固定の後の治療費は、損害賠償上の支払い対象にならない場合があるため、時期については主治医とよく相談してください。
交通事故の治療費と慰謝料のしくみ
自賠責保険は、交通事故で人がけがをしたときの損害を補う保険です。けが(傷害)の場合、支払いの限度額は被害者1人につき120万円です。この120万円は慰謝料だけの枠ではなく、次のものを合わせた金額に対する上限です。
- 整形外科や整骨院での治療費・施術費
- 診断書などの文書料
- 通院交通費
- 休業損害(仕事を休んだ分の補償)
- 傷害慰謝料
交通事故の施術は、健康保険ではなく自賠責保険で扱います。整骨院での施術費は、医師の診断と了承のもとで、自賠責保険の算定基準にそって支払われます。もとになるのは、診断されたケガの部位数や、電気の施術、指導の内容です。多くの場合、相手方の任意保険会社が自賠責保険の分も含めて、施術費を整骨院へ直接支払います(一括対応)。そのため、窓口での負担は原則0円です。
慰謝料はいくらもらえる?
慰謝料は、けがによる痛みや不自由さ、通院の負担などに対して支払われるものです。自賠責保険では、傷害慰謝料は1日4,300円を基準に計算されます。ただし「通院1回ごとに4,300円」ではなく、治療期間と実際に通った日数をもとに対象日数が決まります。そのため「いつからいつまで、何日通ったか」の記録が大切になります。
慰謝料の計算には、次の3つの基準があり、どれを使うかで金額が変わります。
| 基準 | 特徴 |
|---|---|
| 自賠責基準 | 法律で決められた最低限の補償。1日4,300円をもとに計算 |
| 任意保険基準 | 保険会社ごとの基準。示談の最初の提示などで使われる |
| 弁護士基準 | 過去の裁判例をもとにした基準。3つの中で高くなりやすい |
「補償のために通う」のではなく、からだの状態に合わせて必要なペースで通うことが基本です。通いすぎかどうか迷うときは、医師や施術者と相談しながら通院の計画を立てましょう。
示談はいつ?焦って進めないための確認
人身事故の示談は、一般に治療が終わって損害額を整理できるようになってから進めます。症状が残って症状固定となった場合は、後遺障害の認定を検討し、その結果も含めて損害額を整理してから話し合う流れになります。
- 事故の届け出と保険会社への連絡
- 整形外科などで診察・検査
- 通院(整骨院に通う場合も、整形外科で定期的に状態を確認)
- 治療終了、または症状固定
- 症状が残った場合は後遺障害の認定を検討
- 損害額の整理と示談の話し合い
- 合意・賠償金の支払い
示談がまとまると、原則として後からやり直すことはできません。保険会社から金額を提示されたら、総額だけで決めず、治療費・通院交通費・休業損害・慰謝料・過失割合・後遺障害の補償がそれぞれどう計算されているかを確認してください。
ご加入の自動車保険に「弁護士費用特約」が付いていれば、自己負担なしで弁護士に相談・依頼できる場合があります。提示額に迷うとき、打ち切りや示談を急かされていると感じるときは、一度確認してみてください。
症状が残ったとき(後遺障害等級認定)
症状固定のあとも痛みやしびれが残る場合、その状態が自賠責保険の後遺障害(1〜14級)にあたるかを審査する制度があります。症状が残っているだけで自動的に認定されるものではなく、後遺障害診断書などの書類をそろえて申請し、審査を受けます。症状固定までの間に、できない動作や仕事・家事への影響を診察のたびに具体的に伝えておくことが大切です。
当院でも、これまでに2〜3名ほど、施術を続けても症状が残り、認定の手続きへ進まれた方がいらっしゃいました。申請や示談は詳しい弁護士に相談していただき、当院では残っている身体の症状に対して施術を続けました。
身体のことは整骨院、後遺障害や示談など法律のことは弁護士。この2つを分けて考えると、進め方が整理しやすくなります。専門家に相談したい方には、当院から交通事故に詳しい弁護士をご紹介できます。
通院中の記録のつけ方
細かい日記は必要ありません。スマートフォンのメモでもノートでもいいので、1日1〜2行、日付と一緒に残しておくと、医師や保険会社に説明するときに役立ちます。
- 医療機関の受診日と、医師から受けた説明
- 整骨院に通った日
- 保険会社との連絡(日時・担当者名・話した内容)
- 提出した書類と出した日
- 症状の変化(困った動作で書く)
| 分かりにくい書き方 | 伝わりやすい書き方 |
|---|---|
| 首が痛い | 車の後方確認で右に振り向くと、首の右側が痛む |
| 腰がつらい | 1時間座ると腰が重くなり、立ち上がるときに痛む |
| 少しよくなった | 朝、手をつかなくても起き上がれた |
当院では施術の前と後で同じ動きをしていただき、変化を一緒に確かめています。記録した「困った動作」は、その確認にもそのまま使えます。
困ったときの相談先
| 相談先 | 相談する内容の例 |
|---|---|
| 整骨院 | 予約、施術の流れ、通院のペース、アクセス |
| 医療機関 | 身体の状態、検査、診断、薬、診断書 |
| 保険会社 | 保険の対象、費用、必要書類、手続き |
| 弁護士・公的な相談窓口 | 示談、損害賠償、保険会社との行き違い |
示談や賠償金額のご相談には、当院ではお答えできません。保険会社との行き違いが続くときは、次のような窓口も使えます(受付時間などは変わることがあります)。
- ナスバ交通事故被害者ホットライン:0570-000738(土日祝・年末年始を除く10:00〜12:00、13:00〜16:00)
- 日弁連交通事故相談センター:0120-078325(平日10:00〜19:00)
- 自賠責保険・共済紛争処理機構:03-6825-6022
手続きより先に医療機関を受診してほしい症状
- 手足のしびれが強くなる、力が入らない、歩きにくい
- 強い頭痛や吐き気が続く、意識がぼんやりする
- 尿や便が出にくい、もれる
- 熱がある、安静にしていても痛みが強い
事故直後は軽く感じても、数日たってから首の痛みや頭痛、しびれが出てくることがあります。詳しくは交通事故後の頭痛・めまい・吐き気、交通事故後の手足のしびれもご覧ください。
よくある質問
Q. 保険会社へはいつ連絡すればいいですか?
受診を済ませたら、できるだけ早めに連絡してください。整骨院への通院を考えている場合は、そのときに一緒に伝えておくと、後から手続きをやり直す手間が減ります。
Q. 整骨院に通いたいと言ったら、保険会社に渋られました。
まず理由を聞き、必要な手続きや条件を確認してください。医師から受けた説明や、困っている動作を具体的に伝えると話が進みやすくなります。行き違いが続くときは、上の相談窓口も利用できます。
Q. 3か月で治療終了と言われたら、通院をやめるべきですか?
期間だけで自己判断せず、まず主治医に現在の症状と生活上の支障を伝え、今後について相談してください。
Q. 通院の頻度はどれくらいがよいですか?
症状によって異なり、多く通えばよいというものではありません。医師や施術者と相談し、身体の状態や生活に合わせて決めていきます。
Q. 示談の書類が届いたら、すぐ返送しないといけませんか?
内容を確認せずに急いで返送する必要はありません。まだ通院中であれば、そのことを保険会社に伝え、提示内容の内訳を確認してください。判断に迷うときは弁護士への相談を検討しましょう。
交通事故後の通院のご相談
当院は神奈川県大和市渋谷5-37-9、小田急江ノ島線「高座渋谷駅」西口から徒歩3分です。月〜土曜と祝日は22:00まで営業しているので、仕事帰りにも通いやすい時間帯です(最終受付21:00、日曜は休業日)。整形外科との併院もできます。
保険会社への連絡がまだの方も、お電話ください。この記事の「手元にそろえること」を、事故の日時や受診先から順に一緒に確認します。
当院での交通事故後の施術や通院の流れは、交通事故治療・むちうちのページにまとめています。首の痛みや頭痛が続く方はむちうちのページもご覧ください。
お電話 046-267-1130(月〜土・祝 9:00〜22:00)

