交通事故後のしびれは放置厳禁
「交通事故後、手や足がしびれる」という症状は、むち打ちや神経損傷のサインである可能性があります。「そのうち治るだろう」と放置するのは非常に危険です。しびれは、神経・血管・自律神経のいずれかに問題が生じているサインであり、適切な治療を受けなければ慢性化・後遺障害化するリスクがあります。
事故直後は痛みを感じにくいこともありますが、数日〜数週間後にしびれが現れることも珍しくありません。症状が出たら、できるだけ早く専門機関を受診し、診断書に記録してもらうことが大切です。
しびれの原因を3タイプで解説
交通事故によるしびれには大きく分けて3つのタイプがあります。それぞれの特徴を理解することで、適切な治療・対応につなげることができます。
タイプ① 神経根型 最も多い 要注意
交通事故の衝撃によって背骨(頚椎・腰椎)がズレたり、椎間板が飛び出したりすることで神経の根元が圧迫され、しびれが生じます。交通事故によるしびれで最も多いタイプです。
主な原因:
- 頚椎捻挫(むち打ち)による神経根圧迫 → 首〜腕・手先のしびれ
- 腰椎椎間板ヘルニア → 腰〜足・足先への放散痛・しびれ
- 腰椎捻挫(腰のむち打ち) → 腰周辺〜足へのしびれ
- 打撲・骨折による末梢神経圧迫 → 局所的なしびれ
代表的な症状:
首〜腕にかけてのしびれ・脱力感 / 腰〜足にかけての放散痛 / 感覚鈍麻(感覚が鈍くなる) /
握力低下・力が入りにくい
むち打ち症の詳しい説明はこちら
腰椎捻挫(腰の痛み)の詳しい説明はこちら
タイプ② 血管・自律神経型 バレ・リュー症候群
むち打ちによるストレスや頚椎のダメージが自律神経に影響し、交感神経の異常興奮が起きることで手足への血行が障害されます。この状態を「バレ・リュー症候群」と呼ぶことがあり、レントゲンやMRIでは異常が写りにくいため見落とされやすいタイプです。
主な原因:
- 頚椎周辺の交感神経節への影響
- 事故後ストレスによる自律神経の乱れ
- 血管の収縮・血行障害
代表的な症状:
手足の冷感・しびれ / めまい・頭痛・耳鳴り / 倦怠感・集中力低下 / 検査で異常なしなのに症状が続く
タイプ③ 心因性 見落とされやすい
交通事故はトラウマや強いストレスを引き起こすことがあります。精神的な緊張や不安が筋肉・血管に影響し、しびれとして現れることがあります。画像検査で異常が見つからない場合や、検査値と症状が一致しない場合に疑われます。
主な原因:
- 事故のトラウマ・PTSDによる身体症状
- 強い不安・緊張による筋緊張と血行障害
- 精神的ストレスによる神経過敏
代表的な症状:
検査で異常が見つからないしびれ / 不安・緊張時に悪化するしびれ / 睡眠障害・気分の落ち込みを伴う場合がある
放っておくと後遺障害に認定される可能性があります!
しびれを放置すると、症状が慢性化し「後遺障害」として認定される可能性があります。後遺障害に認定されると慰謝料の請求が可能になりますが、そのためには事故直後からの継続的な通院記録と診断書への症状記載が不可欠です。
後遺障害等級14級9号(約75万円)〜9級10号(約690万円以上)の慰謝料に関わる、非常に重要な問題です。
しびれの症状が出たら、放置せずにすぐに専門機関を受診し、症状を記録に残すことが極めて重要です。
後遺障害等級認定について詳しく見る →
むち打ちで手足がしびれるメカニズム
交通事故による「むち打ち」は、医学的には「頚椎捻挫」と呼ばれ、首の筋肉・靭帯・関節・神経などに損傷を受ける症状です。頚椎には腕に向かう神経が通っているため、ダメージによって手先の感覚異常や筋力低下が現れることがあります。
事故の衝撃で頚椎がずれたり、周囲に炎症が起きたりすることで、神経の出口である「神経根」が圧迫されます。その結果、首から腕にかけてしびれが出る「神経根症状」が引き起こされます。
また、自律神経の乱れからくる「バレ・リュー症候群」によっても、手足のしびれが生じるケースがあります。

事故後に「後からしびれが出る」理由と対処法
「事故直後は痛くなかったのに、2〜3日してからしびれが出てきた」というケースは非常に多くあります。これは、事故直後は興奮状態(アドレナリン分泌)により痛みを感じにくくなっていることや、神経の炎症・圧迫が時間の経過とともに進行するためです。
後からしびれが出たら、すぐに受診し、診断書に記載してもらうことが鉄則です。
「事故との因果関係」を証明するために、治療記録を残すことが不可欠です。
治療期間の目安として、軽度なしびれであれば2〜3ヶ月以内に改善することが多いですが、6ヶ月以上続く場合は「症状固定」とされ、後遺障害申請の対象となります。
後遺障害等級と慰謝料の目安
長期間にわたりしびれが続く場合、「後遺障害」として認定される可能性があります。認定されると、等級に応じた慰謝料や逸失利益の請求が可能になります。
- 14級9号:局部に神経症状を残すもの
軽度のしびれ・時々違和感がある状態 慰謝料目安:約75万円 - 12級13号:局部に頑固な神経症状を残すもの
日常生活に支障が出るレベルのしびれ 慰謝料目安:約290万円 - 9級10号:神経系統の機能に障害を残すもの
就労に制限が出るような高度な症状 慰謝料目安:約690万円以上
※実際の支給額は年齢・収入・事故状況などによって変動します。
後遺障害認定を受けるために重要なこと
- 事故直後から「しびれがある」ことを医師に伝え、カルテ・診断書に残す
- 自己判断で治療を中断せず、継続的に通院する
- 整形外科での画像検査(MRI等)を受けておく
効果的な治療法と通院のポイント
しびれを改善し、後遺症を残さないためには、適切な医療機関の使い分けと併用が重要です。
- 整形外科:レントゲンやMRIによる画像検査、診断書の作成、投薬治療
- 神経内科:しびれの専門的な評価、末梢神経検査
- 整骨院:電気治療、手技療法、整体による筋肉の緊張緩和と血行促進(保存的療法)
「整形外科で検査・診断を受けつつ、日々のケアとして整骨院に通う」という併院スタイルが、早期回復のために有効です。当院でも多くの患者様が併院されています。
よくある質問(FAQ)
Q1. 交通事故後のしびれは後遺症になりますか?
はい、6ヶ月以上治療を続けても改善しないしびれは「症状固定」となり、後遺障害等級認定の対象になります。14級9号(局部に神経症状を残すもの)が認定されるケースが多く、慰謝料や逸失利益の請求が可能になります。早期に受診し、継続的に症状を記録・通院することが認定のポイントです。
→ 詳しくは後遺障害等級認定ページをご覧ください。
Q2. 交通事故でしびれが出たら何科に行くべきですか?
まずは整形外科を受診して画像検査(レントゲン・MRI)と診断書を取得してください。しびれが持続する場合は神経内科での専門評価も有効です。また、整骨院での電気治療・整体などの保存的療法を併用することで改善が期待できます。整形外科と整骨院の併院は可能です。
Q3. 事故後すぐにしびれが出なくても大丈夫ですか?
事故直後はアドレナリンの影響で症状を感じにくく、数日〜数週間後にしびれが現れることは珍しくありません。後からしびれが出た場合でも、早めに受診して診断書に記載してもらうことが重要です。受診が遅れると事故との因果関係の証明が難しくなります。
Q4. しびれの治療期間はどのくらいですか?
軽度なしびれは2〜3ヶ月で改善することが多いですが、6ヶ月以上続く場合は「症状固定」とされ、後遺障害認定の対象になります。症状の程度や個人差がありますので、専門家と相談しながら継続的に通院することが大切です。
Q5. しびれがあるのにレントゲンでは「異常なし」と言われました。
レントゲンは骨の異常を確認するもので、神経や軟部組織の損傷は映りません。MRI検査で椎間板の状態や神経の圧迫を確認できる場合があります。また、バレ・リュー症候群(自律神経型)や心因性のしびれの可能性もあるため、複数の検査・診察を受けることをおすすめします。
まとめ:しびれを甘く見ず、早めの受診・記録・相談を
交通事故後のしびれは、ただの打撲ではなく「神経損傷」のサインかもしれません。症状が軽くても放置せず、早めに専門機関を受診しましょう。
- 事故直後から医師に症状を伝える
- 継続的な通院と記録を残す
- 整形外科・神経内科・整骨院を組み合わせて早期回復へ
- しびれが6ヶ月以上続く場合は後遺障害申請を検討
- 後遺障害認定には専門機関との連携が不可欠
後遺障害等級認定の詳細はこちら →
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