マッサージを受けると一時的に楽になるのに、数日で元に戻る——そういう肩こりの方に、当院ではよくお会いします。
強く揉まれると「効いた気がする」こともありますが、同じところが何度でも凝るなら、原因は揉んでいる場所だけにはないかもしれません。
この記事では、なぜ揉んでも戻るのか、腕と脇がどう関係するのか、当院が施術で確かめていることを整理してご紹介します。
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なぜ揉んでも、また戻るのか
肩や首を揉むと、その場の筋肉の緊張がゆるみます。ただ、身体の使い方のクセが変わらなければ、同じ負担が同じ場所にかかり続けます。
デスクワークで頭が前に出る、片側で荷物を持つ、腕を内側にひねったまま作業する。こうした毎日のクセが積み重なって、同じ場所に緊張が戻ってきます。
当院では、肩こりを「肩だけの問題」ではなく、腕・脇・呼吸・土台(骨盤まわり)からまとめて見るようにしています。
こりは、引っ張りに耐えている側にできやすい
前かがみになると、肩や背中は前方へ引っ張られます。背中が丸まれば、肩は後ろへ引っ張られながら抵抗し続けます。当院では、こりが出やすい場所には、その引っ張りに耐えながら働いている筋肉が関係していることが多いと感じています。
右肩がいつも凝るという方の場合、左の腹斜筋や骨盤がうまく支えることで、右肩のねじれが落ち着くことがあります。逆に左側の支えが弱くなると、右肩がそのねじれを引き受けます。左肩が下がると右肩は左側の重さを感じる——そのくらい、身体は左右でつながっています。
揉んでも戻るのは、ねじれが残ったままだから
右首が凝っている方に、施術で左の首がそれ以上ねじれないよう支えてみると、右の痛みが和らぐことがあります。右首の筋肉が、ねじれに抵抗しながら余分に働いているためだと考えています。
揉んでも戻るのは、ねじれそのものが変わっていないからです。ねじれに耐えている筋肉だけを揉んでも、ねじれの原因(土台の不安定さ、姿勢のクセ)が変わらなければ、また同じ引っ張りがかかります。
まず腕と脇を確認する理由
肩こりのカウンセリングで、院長がまず確認するのは肩や首だけではありません。合谷(手の甲の親指と人差し指の間)、肘の裏(上腕二頭筋の付け根あたり)、そして脇の下(前鋸筋のあたり)を見ます。
腕が内側にひねられた状態(内旋)が続くと、胸の前や脇が縮まり、肩甲骨が横に引き出されます。その状態で肩を使おうとすると、首や肩の筋肉が余分に働いて疲れやすくなります。
脇の下にある前鋸筋は、肩甲骨を胸に引きつけて安定させる筋肉です。ここがうまく働いていないと、肩甲骨が浮き上がりやすくなり、腕を使うたびに首肩への負担が増えます。
国の大きな調査では、身体の不調のなかで女性は肩こりが長年もっとも多く、男性でも腰痛に次いで多いとされています(厚生労働省「令和4年 国民生活基礎調査」)。ありふれた悩みだからこそ、「揉めば楽になる」という対処を繰り返してしまいがちです。
肩甲骨の左右差から分かること
肩こりがいつも右側だけ、または左側だけという方も多くいます。片方に偏っている場合、腕の使い方や荷物の持ち方など、日常生活のクセが一方向に集中している可能性があります。
当院では、肩甲骨の高さ・可動域・左右差を施術前に確認します。どちら側にどのようなズレがあるかによって、施術の内容やセルフケアのアドバイスが変わります。
肩甲骨は前鋸筋によって胸に支えられています。前鋸筋を動かす長胸神経に障害が起こると、肩甲骨が浮き上がる「翼状肩甲骨」がみられることがあります(日本整形外科学会)。肩こりそのものとは別のことですが、前鋸筋と長胸神経が肩甲骨の安定した動きに関わっていることが分かります。
猫背・巻き肩が「ねじれ」を作る
猫背は背中が丸くなる姿勢ですが、同時に肩が前方に出る「巻き肩」を伴うことが多くあります。巻き肩になると、腕が内側にひねられた状態(内旋)が続きます。
この状態では脇の前側が縮まり、肩甲骨が横に広がった位置に固定されやすくなります。上腕が内旋する力が加わるほど、首・肩の筋肉が働きすぎる状態が続きます。
当院では「シセイカルテ」という姿勢の確認を初回に行います。反り腰と猫背が合わさった姿勢——骨盤が前傾して腰を反らせながら背中は丸くなるパターン——が肩甲骨の位置にも影響することがあります。
猫背・運動不足・ストレスは肩こりの大きな要因とされており、運動不足だと少ない筋肉で支えることになって負担が増えます(厚生労働省 e-ヘルスネット「身体活動・運動」)。
浅い呼吸と首肩の関係
首まわりの胸鎖乳突筋や斜角筋には、呼吸を助ける働きがあります。ストレスがかかったり、座り仕事で胸が縮まっていたりすると呼吸が浅くなり、首や肩の筋肉が呼吸のたびに小さく使われ続けます。
自律神経の乱れが浅い呼吸や筋緊張につながることもあります(日本薬剤師会「自律神経失調症」)。当院では、肩甲骨・肋骨・みぞおちの動きや、息の吸いやすさを確認しています。
TORI Methodの4つの視点から整理する
当院の施術で軸にしているTORI Methodは、「ねじれ(Twist)」「開き(Open)」「土台(Root)」「バランス(Imbalance)」の4つの視点から身体を確認する連動性アプローチです。
肩こりについていうと、腕・脇のねじれ(T)、肩甲骨や肋骨の動きの制限(O)、足首・膝・骨盤の土台の安定(R)、左右や前後のバランス(I)をそれぞれ見ながら施術を組み立てます。土台については、足首・膝・骨盤を一つの三角形として見る「骨盤トライアングル理論」で確かめています。
肩だけを触るのではなく、全身のつながりから施術を組み立てる理由の一つです。
相談の目安
次のような場合は、まず医療機関へ相談してください。セルフケアだけで様子を見ない方が安全です。
- 手や指がしびれる、力が入りにくい
- 首を動かすと激しく痛む
- 頭痛とともに視野の変化や嘔吐がある
上記に当てはまらず、マッサージを受けても繰り返す肩こりが続いているなら、身体の使い方や姿勢から一度確認してみることをおすすめします。
肩こりの原因や当院での施術については、大和市・高座渋谷の肩こり症状ページで詳しくご案内しています。
ご来院の案内
当院は、小田急江ノ島線「高座渋谷駅」西口から徒歩3分です。改札を出て西口を降りたら右に曲がります。スーパーのビッグヨーサンの先にあるikozaと、神奈川銀行の間の道を抜けてください。横断歩道を渡った先の遊歩道を進むと、chocoZAP(チョコザップ)の隣が当院です。
月〜土曜と祝日は9:00〜22:00(最終受付21:00)、日曜定休。仕事帰りの18時以降に来られる方が多いです。土曜日は早めのご予約がおすすめです。
住所:神奈川県大和市渋谷5-37-9
電話:046-267-1130
ご予約:お問い合わせフォーム・LINE・ホットペッパー
出典
- 厚生労働省「令和4年 国民生活基礎調査」
- 日本整形外科学会「翼状肩甲骨」
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「身体活動・運動」
- 日本薬剤師会「自律神経失調症」
