「肩甲骨が動いていないと言われた」「肩甲骨はがしをすすめられた」——そんな方に当院ではよくお会いします。
肩甲骨と肩こりは深く関わっていますが、なぜ関係するのかはあまり知られていません。この記事では、肩甲骨の仕組みと、当院での施術の確認内容をご紹介します。
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肩甲骨は「鎖骨1点」で体幹とつながっている
肩甲骨は、背中の三角形の平たい骨です。一見、胸郭(肋骨のまわり)にしっかり固定されているように思えますが、実際には骨格として体幹と接しているのは鎖骨との関節(肩鎖関節)の1点だけです。
残りは筋肉だけで背中に張りついています。これだけ聞くと不安定に思えますが、このおかげで肩甲骨は上下・左右・回旋と自由に動くことができます。腕を大きく動かせるのは、肩甲骨がこの「自由に動く設計」だからです。
肩甲骨には16個もの筋肉が付着しています。これらが協調して働くことで、腕の動きをサポートしています。
肩甲骨と腕は一緒に動く——肩甲上腕リズム
腕を横に上げるとき、肩甲骨は肩関節と連動して自動的に回旋します。これを「肩甲上腕リズム」と呼びます。腕が30度上がるとき、そのうち約20度は肩関節の動きで、約10度は肩甲骨の回旋です。
このリズムは意識しなくても自動的に行われます。ただし、肩甲骨の動きが制限されていると、腕を動かすたびに肩関節だけで動こうとするため、周囲の筋肉に余分な負担がかかります。肩こりがひどい方の肩甲骨は、このリズムが乱れていることがあると感じています。
「腕は肩甲骨から始まる」という見方
多くの方は、「腕は肩から先が腕だ」とイメージしています。しかし肩甲骨が腕の動きの起点であることを考えると、腕がどこから生えているかのイメージを少し変えるだけで、肩や首への負担が変わることがあります。
当院では、腕をどこから動かしているかを確認するとき、「肩の関節から先を動かす」イメージではなく、「背骨に近い側——肩甲骨の内側のあたりから腕が始まっている」イメージで動いてもらうことがあります。
腕を真横に上げるとき、「肩から先を持ち上げる」と感じている方は、無意識に肩をすくめる力(僧帽筋上部の過剰な収縮)が先に入りやすくなります。すくめた状態では肩甲骨の回旋が十分に起きないため、肩関節だけで腕を上げようとして、周囲の筋肉に負担がかかります。
一方、「肩甲骨の内側——背骨に近いあたりから腕が生えている」イメージで同じ動きをすると、肩甲骨が連動して回旋しやすくなります。すくめる力が入りにくくなり、わきの下の前鋸筋や肩甲骨まわりの筋肉が自然に使われます。
腕を前に伸ばすとき(キーボードを打つ・物を取る)も同様です。「肩関節だけを前に出す」動きでは、肩甲骨が体幹から離れる方向に引き出されやすく、前鋸筋が働かないまま小さな筋肉に負担が集まります。「肩甲骨ごと前に進む」イメージで動くと、肩甲骨が肋骨に乗ったまま安定して動きやすくなります。
当院では、この「腕をどこから動かしているか」の感覚を確認しながら、動きの誘導を施術に組み合わせることがあります。意識を変えただけで動かしやすさが変わる方もいれば、まず肩甲骨まわりの筋肉の状態を整えてから確認する方もいます。
上部胸椎(頸胸移行部)との関係
首の骨(頚椎)は7個、その下に胸椎が12個続きます。頭や首の動きには、胸椎の上3〜4個も連動して動いています。この「頚椎と胸椎の境界部分(頸胸移行部)」は、肩甲骨の動きとも関係しています。
デスクワークで長時間キーボードを打つとき、両手は机に固定されています。肩甲骨があまり動かない状態が続くと、上部胸椎も動きにくくなり、頸胸移行部に負担が集まりやすくなります。首の付け根から肩にかけての重だるさを感じる方に多いパターンです。
スマートフォンを頭を大きく前に傾けて使う姿勢も、この頸胸移行部に負荷をかけます。当院では、肩こりの方に対して、肩甲骨の動きだけでなく上部胸椎の動きも確認しています。
院長が施術で確認していること
肩こりの方に対して、当院では肩甲骨の高さ・可動域・左右差を施術前に確認しています。肩甲骨の位置がどちらかに傾いていると、その側の首肩の筋肉が余分に働いていることがあります。
わきの下から肋骨の側面にある前鋸筋(ぜんきょきん)の状態も確認します。前鋸筋は肩甲骨を胸に引きつけて安定させる筋肉で、ここがうまく働いていないと肩甲骨が浮き上がりやすくなります。
呼吸との関係も見ています。肋骨や上部胸椎の動きが制限されていると、息を吸ったときに胸が広がりにくくなり、肩甲骨の動きも制限されることがあります。肩甲骨・肋骨・みぞおちの動き、息の吸いやすさを確認しながら施術を組み立てています。
相談の目安
次のような場合は、まず医療機関へ相談してください。
- 手や指がしびれる、力が入りにくい
- 首を動かすと激しく痛む
- 頭痛とともに視野の変化や嘔吐がある
- 肩甲骨が明らかに浮き上がり、腕を上げにくい
上記に当てはまらず、同じ側の肩こりや首の重だるさが長く続いているなら、肩甲骨の動き・上部胸椎という視点から一度確認してみることをおすすめします。
肩こりの原因や当院での施術については、大和市・高座渋谷の肩こり症状ページで詳しくご案内しています。
ご来院の案内
当院は、小田急江ノ島線「高座渋谷駅」西口から徒歩3分です。改札を出て西口を降りたら右に曲がります。スーパーのビッグヨーサンの先にあるikozaと、神奈川銀行の間の道を抜けてください。横断歩道を渡った先の遊歩道を進むと、chocoZAP(チョコザップ)の隣が当院です。
月〜土曜と祝日は9:00〜22:00(最終受付21:00)、日曜定休。仕事帰りの18時以降に来られる方が多いです。土曜日は早めのご予約がおすすめです。
住所:神奈川県大和市渋谷5-37-9
電話:046-267-1130
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出典
- 日本整形外科学会「翼状肩甲骨」
- 厚生労働省「令和4年 国民生活基礎調査」
