交通事故から約2週間後、「整形外科だけでなく整骨院にも通いたい」と当院へ相談に来られた方がいらっしゃいました。
カウンセリングでお話を伺うと、保険会社とは連絡を取っていましたが、通院した場合の慰謝料については詳しく知らなかったそうです。
そこで当院では、自賠責保険の傷害慰謝料には、1日4,300円を基準として算定する仕組みがあることをご説明しました。
たとえば、慰謝料の対象日数として、
- 10日認められた場合 → 43,000円
- 20日認められた場合 → 86,000円
- 30日認められた場合 → 129,000円
が計算上の目安になります。
ただし、「整骨院へ1回通院すれば、そのたびに必ず4,300円が受け取れる」という意味ではありません。慰謝料は治療期間や実際に治療を受けた日数などと関係して算定されます。詳しい仕組みについては、このあと具体的に説明します。
「整骨院に通うと自己負担になると思っていた」「整骨院へ通っても慰謝料には関係ないと思っていた」「保険会社から慰謝料の計算方法までは聞いていなかった」という方もいらっしゃいます。
交通事故後の補償制度を知らないまま進めるのではなく、整骨院への通院も含めて、どのような補償を受けられる可能性があるのかを知っておくことが大切です。
交通事故後の受診、整形外科と整骨院の併院、自賠責保険、保険会社への連絡など、事故後の対応をまとめて確認したい方は、高座渋谷・大和市の交通事故相談・治療総合ページをご覧ください。

この記事では、整骨院へ通院した場合の慰謝料、自賠責保険の1日4,300円という基準、治療期間との関係、治療費、休業損害、自賠責保険の120万円の上限についてわかりやすく解説します。
こんなお悩みはありませんか?
- 整骨院の治療費は保険でどこまでカバーされるの?
- 整骨院に通うと慰謝料はいくらになるの?
- 1日4,300円とはどういう意味?
- 治療期間と慰謝料にはどんな関係があるの?
- 保険会社から言われた金額のまま進めて大丈夫?
事故直後は痛みが軽くても、数日たってから首・腰・頭痛・しびれなどの症状が出ることがあります。違和感がある場合は整形外科などの医療機関を受診し、必要に応じて整骨院への通院についても相談することが大切です。

慰謝料とは?
慰謝料とは、交通事故によって受けた精神的・身体的な苦痛に対して支払われる補償です。
たとえば、首や腰の痛みで日常生活が不自由になること、通院の負担、事故後の不安などに対する補償として慰謝料が支払われます。
POINT
自賠責保険では、傷害慰謝料は1日4,300円を基準として算定されます。
ただし、「整骨院に1回通院したら4,300円」という単純な計算ではありません。慰謝料の対象となる日数は、治療期間の範囲内で、実際に治療を受けた日数などを考慮して判断されます。
そのため、交通事故後にどのくらいの期間治療を受けたのか、実際にどのくらい通院したのかは、慰謝料を考えるうえで重要なポイントになります。
慰謝料と治療期間はどう関係する?
交通事故の慰謝料を理解するときに大切なのが、「治療期間」と「実際に治療を受けた日数」です。
自賠責保険では、慰謝料の対象となる日数は、治療期間の範囲内で判断されます。
つまり、交通事故後に症状があり治療が必要な場合、どのくらいの期間治療を続け、実際に何日治療を受けたのかという記録が慰謝料の算定にも関係します。
そのため、「痛みがあるけれど整骨院へ通っても補償には関係ない」と考えて通院を控えるのではなく、現在の症状に応じた必要な通院について考えることが大切です。
交通事故の治療期間や、「3か月で終了と言われた」「6か月を超えるとどうなるの?」といった疑問については、交通事故の治療期間・治療費の打ち切りについて詳しくはこちらをご覧ください。

治療費とは?
治療費とは、交通事故によるケガの治療に必要な費用のことです。
整形外科での診察・検査・投薬・診断書料のほか、必要かつ妥当と認められる範囲で、柔道整復の施術費や通院交通費なども補償対象になります。
自賠責保険の傷害部分では、被害者1人あたり120万円を上限として、治療関係費・文書料・休業損害・慰謝料などが支払われます。
この120万円は慰謝料だけの上限ではありません。
- 整形外科や整骨院などの治療関係費
- 診断書などの文書料
- 仕事を休んだ場合の休業損害
- 傷害慰謝料
- その他、認められる費用
などを合計した傷害による損害について、自賠責保険では被害者1人につき最高120万円という支払限度額があります。
整形外科と整骨院の違い
- 整形外科:診断・画像検査・投薬・診断書作成など
- 整骨院:交通事故による筋肉・靭帯・関節などの症状に対する施術
整形外科で診断や検査を受けながら整骨院も利用したい方は、交通事故の転院・整形外科との併院についてをご覧ください。

自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準の違い
交通事故の慰謝料には、主に3つの算定基準があります。どの基準で計算されるかによって金額が異なります。
| 基準 | 位置づけ | 特徴 | 使われる場面 |
|---|---|---|---|
| 自賠責基準 | 最低限の対人補償 | 傷害慰謝料は1日4,300円を基準に算定 | 自賠責保険による傷害補償 |
| 任意保険基準 | 各保険会社が用いる基準 | 算定方法は保険会社によって異なる | 保険会社との示談交渉 |
| 弁護士基準 | 裁判例などをもとにした基準 | 自賠責基準より高くなることがある | 弁護士による示談交渉・裁判など |
そのため、「保険会社から提示された金額=必ず適正な金額」とは限りません。示談内容について判断が難しい場合は、交通事故に詳しい弁護士へ相談できます。
整骨院の治療費は自賠責保険の対象になる?
交通事故によるケガに対する整骨院の施術費は、必要かつ妥当な施術と認められれば、自賠責保険の治療関係費の対象になります。
日本損害保険協会の自賠責保険の案内でも、治療関係費として柔道整復などの費用が挙げられています。
整骨院へ通院する前に確認しておきたいポイント
1.まず整形外科を受診する
事故後はまず整形外科などの医療機関を受診し、痛みがある場所や症状を医師へ伝えることが大切です。
2.医師に整骨院への通院について相談する
整形外科へ通院しながら整骨院も利用したい場合は、主治医へ相談して進めます。
3.保険会社へ連絡する
整骨院へ通院する場合は、保険会社へ通院先を伝え、施術費の取り扱いや手続きについて確認します。
4.整形外科でも経過を伝える
整骨院へ通院している場合でも、必要な診察や検査を受け、症状の経過を医師へ伝えます。
交通事故後の転院や、整形外科と整骨院を一緒に通う方法については、交通事故の転院・併院について詳しくはこちらをご覧ください。

交通事故後の通院や自賠責保険など全体を知りたい方は、高座渋谷・大和市の交通事故相談ページをご覧ください。

慰謝料請求で大切なポイント
1.症状と通院の経過を残しておく
交通事故証明書、医師の診断書、通院履歴、症状のメモなどは、事故後の経過を確認するための大切な資料になります。
特に、首や腰の痛み、頭痛、しびれなどについては、「いつから」「どの動作で」「どの程度困っているのか」を具体的に伝えておくことが大切です。
2.示談は治療終了前に急いで決めない
示談が成立すると、原則としてあとから内容を変更することは難しくなります。症状が残っている場合や治療中の場合は、示談を進める時期を慎重に考えます。
示談を進めるタイミングについては、交通事故の示談交渉のタイミングと注意点をご覧ください。

3.提示された慰謝料の基準を確認する
慰謝料には自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準があり、どの基準で算定するかによって金額が変わります。
保険会社から示談金額を提示されたものの妥当か判断できない場合は、交通事故に詳しい弁護士へ相談できます。
弁護士費用特約がある場合は確認しましょう
自動車保険などに「弁護士費用特約」が付いている場合、交通事故について弁護士へ相談・依頼する際の費用を保険で補償してもらえることがあります。
補償される金額や利用条件は保険契約によって異なるため、ご自身やご家族の保険に弁護士費用特約が付いているか確認してください。
- 保険会社から提示された金額が妥当かわからない
- 症状が長引いていて後遺障害が心配
- 治療費の対応終了や示談について不安がある
- 保険会社との交渉を自分で行うことが不安
ポポの木整骨院では、法律上の判断や示談交渉を当院で行うのではなく、必要な方に交通事故に詳しい提携弁護士をご紹介できます。
当院の弁護士連携を含む交通事故サポートについては、ポポの木整骨院の交通事故総合ページをご覧ください。

症状が残り、後遺障害等級認定について知りたい方は、交通事故の後遺障害等級認定についてをご覧ください。

ポポの木整骨院の交通事故サポート体制
ポポの木整骨院では、むちうち、腰痛、しびれ、頭痛、めまいなど、交通事故後の症状に対して施術を行い、痛みを軽くし、身体を動かしやすくすることを目指します。
また、交通事故後は「整骨院へ通えるのか」「保険会社へ何と伝えればいいのか」「慰謝料はどのような仕組みなのか」など、身体以外のことで不安を感じる方も少なくありません。
今回ご紹介した方のように、保険会社とは連絡を取っていても、慰謝料が1日4,300円を基準として算定される仕組みや、治療期間と慰謝料の関係を知らなかったという方もいらっしゃいます。
当院では、施術だけでなく、交通事故後の通院の流れや、自賠責保険について患者さまが分からない点も分かりやすくご説明しています。
むちうちについて詳しく知りたい方は、交通事故によるむちうちの専門ページをご覧ください。

交通事故後の腰痛については、交通事故後の腰痛・腰椎捻挫についてをご覧ください。

手や足のしびれについては、交通事故後の手足のしびれについてをご覧ください。

まとめ|1日4,300円だけでなく治療期間と120万円の上限まで理解しましょう
交通事故の自賠責保険では、傷害慰謝料は1日4,300円を基準として算定されます。
しかし、「整骨院へ1回通院するたびに、必ず4,300円がそのまま受け取れる」という仕組みではありません。
その理由を理解するためには、①慰謝料の対象となる日数、②治療期間、③自賠責保険の120万円の支払限度額を分けて考える必要があります。
慰謝料は治療期間の範囲内で対象日数が決まります
自賠責保険では、慰謝料の対象となる日数について、実際に治療を受けた日数などを考慮し、治療期間の範囲内で判断します。
そのため、交通事故後にどのくらいの期間治療を受けたのか、そしてその期間内に実際に何日治療や施術を受けたのかが、慰謝料を考えるうえで関係します。
つまり、「通院1回=必ず4,300円」という意味ではありませんが、治療期間や実際の通院状況が慰謝料と無関係というわけでもありません。
交通事故の治療期間について詳しく知りたい方は、交通事故の治療期間・3か月・6か月・治療費の打ち切りについて詳しくはこちらをご覧ください。

自賠責の120万円は「慰謝料だけ」の上限ではありません
もう一つ重要なのが、自賠責保険の傷害部分は被害者1人につき最高120万円という点です。
この120万円の中には慰謝料だけではなく、
- 整形外科や整骨院などの治療関係費
- 診断書などの文書料
- 通院交通費など認められる費用
- 仕事を休んだ場合の休業損害
- 傷害慰謝料
などが含まれます。
たとえば、分かりやすく説明するために、
- 治療関係費:60万円
- 通院交通費・文書料など:3万円
- 休業損害:20万円
- 慰謝料:40万円
とそれぞれ認められた場合、合計は123万円になります。
自賠責保険の傷害部分だけを見ると支払限度額は120万円なので、120万円を超えた部分は自賠責保険の限度額を超えることになります。
ただし、これは「120万円から治療費を引いて、残った金額だけが慰謝料になる」という意味ではありません。
治療費、休業損害、慰謝料などは、それぞれの支払基準に基づいて計算され、その認定された傷害による損害の合計について、自賠責保険では120万円が上限になるという仕組みです。
また、自賠責保険の120万円を超えたからといって、交通事故による損害賠償全体が120万円で終了するという意味ではありません。自賠責の限度を超える損害については、加害者本人や任意保険などへの損害賠償の問題になります。
交通事故後は制度を知ったうえで通院することが大切です
交通事故後の慰謝料については、「1日4,300円」という数字だけを見るのではなく、治療期間、実際に治療を受けた日数、自賠責保険の120万円の傷害限度額まで理解しておくと、制度の全体像が分かりやすくなります。
「整骨院へ通っても慰謝料には関係ないと思っていた」「保険会社から詳しい仕組みを聞いていなかった」という理由だけで、必要な通院を控える必要はありません。
慰謝料の金額を簡単に確認したい方は、交通事故の慰謝料計算ツールをご利用ください。

示談について知りたい方は、交通事故の示談交渉のタイミングと注意点をご覧ください。

後遺障害について知りたい方は、交通事故の後遺障害等級認定についてをご覧ください。

弁護士へ相談したい方は、弁護士法人心の交通事故相談ページをご覧ください。
交通事故後は、慰謝料だけでなく、整形外科への受診、整骨院との併院・転院、むちうちや腰痛などの症状、自賠責保険、保険会社への対応など、確認しておきたいことが多くあります。
交通事故後の対応について全体像を確認したい方は、高座渋谷・大和市の交通事故相談・治療総合ページをご覧ください。



