「整体に行って、もっと悪くなったらどうしよう」
お尻から太ももの裏、ふくらはぎへ走るしびれ。座っていても、立っていても、痛みが抜けない。湿布も、痛み止めも、注射も試した。それでも戻ってくる痛みに、次はどこへ行けばいいのか。予約のボタンの前で、指が止まってしまう。
その怖さは、当然のものです。そして私は、その怖さを、施術する側としてよく知っています。
以前、神経の症状が強い方の腰を強めに施術した翌日、その方の痛みが強くなったことがありました。施術がきっかけだったのか。それとも、もともと進んでいた症状が、ちょうどその時期に強く出たのか。正直に言えば、今もはっきりとは分かりません。坐骨神経痛は、その日に痛くなったのか、前から少しずつ進んでいたのかを見極めるのが、とても難しいからです。
それでも、つらい思いをさせてしまった申し訳なさは、今も忘れていません。そして、あの経験が私の施術を変えました。今日の施術で明日どうなるかだけを見るのではなく、毎回の聞き取りと、その後の変化を長い目で追いかけていく。そのうえで、体に触れる前に、いつも自分に問いかけます。「今日のこの体は、押していいのか。それとも、ゆるめるべきなのか」。
この記事では、坐骨神経痛の整体でどんな施術をするのか、そして当院が悪化させないために何を見て、どう決めているのかを、包み隠さずお話しします。予約する前の不安が、少しでも軽くなればうれしいです。
坐骨神経痛の整体では、どんな施術をする?
整体は、手で筋肉や関節、体の動きを整えていく施術です。坐骨神経痛の場合、痛みやしびれはお尻から脚に出ますが、負担が集まる理由は、腰・骨盤・股関節・お腹まわりの動き方にあることが少なくありません。だから整体では、痛い場所だけでなく、体全体の動きを確かめながら進めます。
当院の初回は、カウンセリングから施術まで、だいたい60分です。
1. お話を伺います
いつから、どこが、どんな動作でつらいのか。お仕事の内容や、「運転が続けられない」「夜に目が覚める」といった、今いちばん困っていることも聞かせてください。「こんなことまで話していいのかな」と思うことほど、施術の手がかりになります。
2. 体の状態と動きを確認します
脚の力や感覚、反射、腰や股関節の動きを見ます。前かがみ、立ち上がり、かかと歩きやつま先立ちなど、実際につらい動きもその場で確かめます。どの動きで、どこまで響くのか。それが分かると、どこから、どのくらいの強さで施術を始めるかが決まります。
3. その日の状態に合わせて施術します
筋膜リリースや動的ストレッチ、骨盤・股関節の調整を、その方の状態に合わせて組み合わせます。強さは施術中の反応を見ながら、そのつど変えていきます。痛いのを我慢していただく施術ではありません。
4. 変化を一緒に確かめます
最初につらかった動きを、もう一度やってみていただきます。そのうえで、通院の目安と、ご自宅で無理なく続けられる運動をお伝えします。

整体で坐骨神経痛が悪化することはある?
あります。だからこそ、この記事を書いています。
坐骨神経が刺激を受けて敏感になっている時期に、腰を強く押したり、強く反らしたり、ひねったりすると、かえってしびれや痛みが広がることがあります。良くしようとした力が、時期を間違えると逆に働いてしまうのです。
当院には坐骨神経痛の方が月に25人ほど来られますが、そのうち月に3人ほどは、来院前に自己流のストレッチやマッサージを続けて、しびれや痛みが強まってから来られた方です(当院の来院記録から私が数えた、おおよその数です)。どなたも、早く良くなりたくて、一生懸命だった方ばかりです。
私自身も、大学生のときにゴルフで腰を痛め、患者として整骨院に通いました。思うように動けない毎日の不安も、「早く何とかしたい」という焦りも、自分の体で知っています。その焦りが、強い刺激を求めさせてしまうことも。
だから当院では、「強く押せば早く良くなる」とは考えていません。日常で避けたい動作は「坐骨神経痛の人がやってはいけないこと」にまとめています。
「押す」とき、「ゆるめる」とき——当院の見極め
ただし、「強く押さない」は、いつも弱い力しか使わない、という意味ではありません。坐骨神経痛の出どころと、その日の症状の出方によって、私は施術を大きく変えています。
お尻の筋肉のこわばりが出どころのとき
坐骨神経痛の出どころが、お尻の奥の筋肉(梨状筋など)のこわばりにある場合は、張りの強い部分にしばらく圧を保ち、ゆっくりゆるめていくことがあります。筋肉が原因の坐骨神経痛では、硬くなった部分がゆるむことで、症状がやわらぐことがあるからです。
しびれや、電気が走るような感覚が強いとき
脚へのしびれや、電気が走るような感覚が強く出ている時期は、同じ場所に強い圧をかけると、症状が広がることがあります。この時期は痛いところを追いかけず、股関節、お尻、お腹、肋骨など、少し離れた場所から始めます。しびれが広がらない範囲で、少しずつ進めていきます。
決めるのは、「その日の体」
同じ方でも、先週と今日とでは体の状態が違います。だから、前回と同じ施術をくり返すことはしません。毎回、動きと反応を確かめてから、押すのか、ゆるめるのか、どこから始めるのかを決めます。これが、私が坐骨神経痛の施術でいちばん大切にしていることです。

毎回の聞き取りと、長い目で見る変化
坐骨神経痛は、一度の施術で終わるものではありません。回復には、それなりの期間がかかります。だから私は、毎回の施術の前に、前回からの様子をくわしく伺います。
- 前回の施術のあと、楽な状態がどのくらい続いたか
- 痛みが戻ってしまったなら、それはどんな場面だったか
- 仕事の中で、くり返している動きはなかったか
たとえば「数日は楽だったけれど、中腰の作業が続いた日に戻った」と分かれば、次は中腰のときの体の使い方まで含めて、施術を組み立て直します。痛みが出て、楽になって、また戻る。その波の中にこそ、体からの手がかりがあります。
少しずつでも変化が起きているかを一緒に確かめながら、施術の内容を変えていく。それが、悪化させないためにいちばん大切なことだと、私は考えています。
電気(ハイボルト・EMS)はどんなときに使う?
しびれや痛みが強く出ていて、手で深く施術すると負担が大きい時期には、ハイボルト(高電圧の電気を使う施術)から入ることがあります。痛みの強いところに、過度な刺激を加えずに進めるためです。ハイボルトについては「ハイボルトの施術について」でくわしくお話ししています。
EMSは、お腹まわりに力を入れる感覚がつかみにくい方の補助として使うことがあります。くわしくは「EMSと腰痛」をご覧ください。
どちらも、いつも使うわけではありません。手技と電気を、その日の体に合わせて組み合わせています。

痛いお尻だけを見ない——当院の整体の考え方
当院に来られる坐骨神経痛の方を見ていると、約8割に骨盤や股関節の左右差があります(初回の動きの確認で、左右の高さや動き方にはっきりした差が見られた方の割合。当院調べ・おおよその数)。お尻が痛くても、負担のもとは別の場所にあることが多いのです。
そこで当院では、体のねじれ、肋骨やお腹まわりの動き、骨盤や股関節の支え方、左右差の4つの視点から体を整理して施術します。これを連動性アプローチ(TORI Method)と呼んでいます。
椎間板ヘルニアなどがある場合も、痛みの出ている患部だけに施術するのではなく、股関節やお腹まわりなど、体の他の部分にもアプローチします。体の中に動きやすさを作ることで患部への負担を減らし、回復を後押しすることを考えた施術です。深部整体については、医師から推薦の声もいただいています。
考え方のくわしい中身は「坐骨神経痛はなぜくり返す?」に、施術メニューは「当院の整体(連動性アプローチ)」にまとめています。
施術のあと、何を目安にしていく?
施術の直後に少し動きやすくなっても、それで終わりではありません。私が見ているのは、あなたの毎日がどう変わったかです。
- 車を運転できる時間が延びた
- いつもの道で、休む回数が減った
- 仕事で中腰になったときの痛みが減った
- 夜、痛みで目が覚める回数が減った
こうした小さな変化を毎回うかがいながら、次の施術を組み立てていきます。通院の回数も、最初に「何回で終わり」と決めるのではなく、その都度ご相談してお伝えしています。※変化の出方には個人差があります。
整体と整骨院・病院、どう使い分ける?
レントゲンやMRIなどの画像検査や病名の判断、薬の処方は、整形外科などの医療機関の役割です。当院では、どの動きでつらくなるか、お尻や股関節・骨盤がどう動いているかを手で確かめながら、負担が一か所に集まりにくい体を目指して施術します。使い分けは「坐骨神経痛や足のしびれは危険?|病院と整骨院の違い」でくわしくお話ししています。
次のようなときは、整骨院より先に医療機関を受診してください。
- 両脚にしびれが出た、脚に急に力が入らなくなった
- 尿や便が出にくい・もれる、股のまわりの感覚が鈍い
- 熱がある、安静にしていても痛みが強くなる
- 転倒や事故のあとから痛みが出た
健康保険は使える? 当院が自費の施術をおすすめする理由
整骨院で健康保険が使えるのは、ケガ(外傷)による痛みだけです。保険を使う場合も、施術できるのは痛めた部分に限られます。坐骨神経痛は、お尻だけでなく股関節や骨盤、腰の動きが関わっていることが多いため、保険の範囲では、関わっている場所まで施術できなくなることがあります。
そのため当院では、坐骨神経痛には自費の施術をおすすめしています。保険と自費の違いは「ぎっくり腰の施術、なぜ自費の整体をおすすめするのか|保険との違い」でもお話ししています。
「ずっと良くならない」と思っているあなたへ
介護の仕事をされている方が、強い坐骨神経痛で来られたことがあります。座っても痛い、立っても痛い。「仕事に行けないと、職場のみんなに迷惑をかけてしまう」と話してくださいました。
痛いお尻を強く押すのではなく、股関節や骨盤のねじれを整えながら、仕事中の体の使い方も一緒に見直していきました。その方はお仕事に戻られ、今は仕事中にお尻が痛くないそうです。「ずっと良くならないかもしれない、という不安から解放されて、安心しました」。その言葉を、私は今も大切にしています。※回復の経過には個人差があります。
痛みが長く続くと、「もう、どこに行っても同じなんじゃないか」と思ってしまうかもしれません。でも、あなたの体を、今日の状態から丁寧に確かめれば、まだ試していない道が見つかることがあります。
押すのか、ゆるめるのか。その答えは、あなたの体の中にあります。私は、それを一緒に探したいと思っています。
初めての方へ
強い施術が苦手な方、前に整体で悪化した経験がある方は、最初にそう伝えてください。そこから施術の進め方を決めます。
| メニュー | 初回 | 2回目以降(通常) |
|---|---|---|
| トータルヘルスケア(全身の整体) | 3,980円(約60分) | 7,700円 |
| トータルボディバランス(部分の整体) | 3,500円 | 5,500円 |
表示はすべて税込です。くわしくは料金ページをご覧ください。
高座渋谷駅西口から徒歩3分。月〜土・祝 9:00〜22:00(日曜休業)、当日のご予約は21時まで受け付けています。
大和市・高座渋谷で坐骨神経痛の施術を受けるなら(当院の坐骨神経痛のページ)
坐骨神経痛の症状・原因・やってはいけないこと・自分でできることを、ひとつにまとめています。→坐骨神経痛とは?どこが痛い・原因・やってはいけないことまで、整骨院の院長がまとめて解説
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