お尻の奥から、太ももの裏、ふくらはぎへ。電気が走るような痛みや、じわじわ広がるしびれ。座っても、立っても、楽な姿勢が見つからない。「これって坐骨神経痛なのかな」「放っておいて大丈夫なのかな」と、夜中にスマホで調べている方も多いと思います。
当院には、坐骨神経痛の方が月に25人ほど来られます。その多くが、最初に「自分の痛みが何なのか分からないのが、いちばん不安だった」と話されます。
この記事は、坐骨神経痛について知っておいてほしいことを、ひとつにまとめた「地図」です。どこが痛むのか、何が原因なのか、すぐ病院に行くべきサイン、やってはいけないこと、自分でできること。気になるところから読んでください。くわしい話は、それぞれの記事へご案内します。
坐骨神経痛とは? どこが痛む?

坐骨神経痛は、病気の名前ではなく、症状の名前です。坐骨神経は、腰から出てお尻を通り、太ももの裏からふくらはぎ、足先までのびる、体の中でいちばん太く長い神経です。この神経の通り道のどこかで圧迫や刺激が起きると、その先に痛みやしびれが出ます(参考:NHS「Sciatica」)。
痛みやしびれが出やすいのは、次のような場所です。
- お尻の奥(座ると当たるあたり、または少し外側)
- 太ももの裏から外側
- ふくらはぎ、すね、足の甲や足の裏、足の指
多くは、左右どちらか片側に出ます。咳やくしゃみで響く、長く座ると強くなる、歩くとつらくなるなど、出方は人によって違います。
あなたの坐骨神経痛はどのタイプ?
痛みが出る場面は、原因を考える大事な手がかりです。当院でも、最初にここを一緒に確かめます。
前かがみや、咳・くしゃみで脚まで響く
靴下を履く、床の物を拾うときに、お尻から脚へ痛みが走る。腰の椎間板が飛び出して神経にふれる、椎間板ヘルニアで見られることがあります。比較的若い世代にも多いタイプです。→腰椎椎間板ヘルニアについて
歩くとつらく、少し休むとまた歩ける
しばらく歩くと脚が重くしびれてきて、前かがみで休むと楽になる。神経の通り道が狭くなる、腰部脊柱管狭窄症で見られることがあります。年齢とともに増えるタイプです。→脊柱管狭窄症について
長く座ると、お尻の奥から痛む
座っている時間が長いほど痛みが強くなり、立ち上がりでつらい。お尻の奥の筋肉(梨状筋)がこわばり、坐骨神経を刺激している場合があります。→梨状筋症候群について
ただし、これはあくまで傾向です。いくつかが重なっている方も少なくありません。決めつけずに、体の状態を確かめることが大切です。
坐骨神経痛の原因は?

坐骨神経痛を引き起こすものとして多いのは、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、お尻の筋肉のこわばりです。ただ、私が施術の現場で感じているのは、「なぜ、そこに負担が集まったのか」という体の使い方の問題です。
当院に来られる坐骨神経痛の方を見ていると、約8割に骨盤や股関節の左右差があります(初回の動きの確認による、当院調べのおおよその数)。片側のお尻にばかり体重を乗せて立つ、股関節が硬くて腰が代わりにねじれる。そうした使い方が続くと、同じ場所に負担が集まり、痛みをくり返しやすくなると考えています。
また、画像でヘルニアが見つかっても、それが今の痛みの原因とは限りません。症状のない人を調べた研究でも、60歳未満の約2割、60歳以上の約4割弱に、画像上のヘルニアが見つかったと報告されています(参考:Boden SD, et al. J Bone Joint Surg Am. 1990)。
原因と、くり返さないための考え方は、こちらでくわしくお話ししています。→坐骨神経痛はなぜくり返す?大もとの原因と連動性アプローチの考え方
すぐに病院へ行ってほしいサイン
坐骨神経痛の多くは、急いで手術が必要なものではありません。ただし、次のような場合は、整骨院より先に医療機関を受診してください。
- 両脚にしびれが出た、脚に急に力が入らなくなった
- 尿や便が出にくい・もれる、股のまわりの感覚が鈍い
- 熱がある、安静にしていても痛みが強くなる、眠れない夜が続く
- 転倒や事故のあとから痛みが出た
- 片方の脚だけが急に腫れる、赤くなる、熱を持つ
- がんの治療中・治療歴がある、急に体重が減った
何科に行けばいいか、整形外科と整骨院をどう使い分けるかは、こちらにまとめています。→坐骨神経痛や足のしびれは危険?|病院と整骨院の違い
坐骨神経痛でやってはいけないこと
「早く良くしたい」という気持ちが、かえって痛みを強めてしまうことがあります。当院に来られる坐骨神経痛の方のうち、月に3人ほどは、自己流のストレッチやマッサージを続けて、しびれが強まってから来られています(当院の来院記録による、おおよその数)。
- しびれを我慢して、太ももの裏を強く伸ばし続ける
- 痛いところを、自分で強く揉む・押す
- 腰を強く反らす、ひねる
- 痛いからと、何日も寝込んだままでいる
くわしくはこちらをご覧ください。→坐骨神経痛の人がやってはいけないこととは?避けるべき7つの習慣
自分でできること
危険なサインがなければ、寝込みすぎず、痛みの範囲で少しずつ動くことが大切です。急な腰痛では、動ける範囲で生活を続けたほうが回復が早いとされています(参考:日本整形外科学会・日本腰痛学会 監修『腰痛診療ガイドライン2019 改訂第2版』)。
夜、痛みで目が覚めるとき
痛いほうを上にした横向きで、膝のあいだにクッションをはさむと楽になる方がいます。→坐骨神経痛の寝方|仰向け・横向きとクッションの使い方
座り仕事や運転がつらいとき
深く腰かけ、30分〜1時間に一度は立ち上がる。運転中も、休憩のたびに車から降りて少し歩いてみてください。→坐骨神経痛を楽にする座り方|デスクワーク・運転時の対策
ストレッチは「時期」を選ぶ
ストレッチは、いつやってもよいわけではありません。しびれや電気が走る感覚が強い時期に神経を引っぱるように伸ばすと、かえって症状が広がることがあります。痛みが落ち着いてきてから、響かない範囲で行うのが基本です。どの動きが合うかは、人によって違います。始める時期の見分け方と、動かしながら伸ばすやり方は「坐骨神経痛のストレッチ、いつからやっていい?」でくわしくお話ししています。
整骨院では何をする?
当院では、痛いお尻を強く揉むことはしません。どの動きでつらくなるかをその場で確かめ、股関節やお腹まわりなど、痛いところ以外から体の動きやすさを作っていきます。そして毎回、前回のあと楽な状態がどのくらい続いたか、どんな動きのあとに戻ったかを伺い、施術を組み立て直します。
施術の進め方や、強く押すか・ゆるめるかの見極めは、こちらでくわしくお話ししています。→坐骨神経痛の整体はどんな施術? 悪化させない「押す・ゆるめる」の見極めと当院のやり方
実際の施術の例は、こちらをご覧ください。→足のしびれとお尻の痛みで来院された方の施術事例|70代女性
坐骨神経痛はどのくらいで良くなる?
坐骨神経痛は、数週間で落ち着く方もいれば、数か月かけて少しずつ変わっていく方もいて、人によって幅があります(参考:NHS)。回復には、それなりの期間がかかります。
だからこそ、焦って強い刺激に頼るより、毎日の小さな変化を見ていくことが大切です。座っていられる時間が少し延びた。夜に目が覚める回数が減った。休まずに歩ける距離が延びた。そうした変化が、回復に向かっているかどうかのいちばんの手がかりになります。
坐骨神経痛についてよくある質問
Q. 坐骨神経痛は自然に良くなりますか?
多くの方は、数週間から数か月のうちに落ち着いていくとされています。ただし、危険なサインがある場合や、痛みが長く続く場合は、医療機関や専門家に相談してください。
Q. 温めたほうがいいですか? 冷やしたほうがいいですか?
痛めた直後で熱を持っているときは冷やすと楽になることがあり、長く続いている痛みは温めてかまいません。気持ちよく感じるほうを選んでください。
Q. 整形外科と整骨院、どちらに行けばいいですか?
画像検査や薬が必要かどうかの判断は、整形外科の役割です。そのうえで、体の使い方や動きを見直したい方は、整骨院も選択肢になります。くわしくは病院と整骨院の違いをご覧ください。
Q. 仕事は休んだほうがいいですか?
歩くのもやっと、運転でブレーキを踏むのが不安、人を抱える作業がある日は、無理をしないほうが長引きにくいです。動ける日は、同じ姿勢を続けない工夫をしながら過ごしてください。
院長から、坐骨神経痛で悩むあなたへ
坐骨神経痛は、まわりからは見えにくい痛みです。「仕事に行けないと迷惑をかけてしまう」「このまま、ずっと良くならないのでは」。そんな不安を、ひとりで抱えている方をたくさん見てきました。
痛みには、たいてい手がかりがあります。どんなときに痛むのか。何をしたら楽になったのか。あなたの体の声を一緒に聞きながら、毎日に戻る道を探していきましょう。
大和市・高座渋谷で坐骨神経痛を相談したい方へ
当院の坐骨神経痛の施術、料金、アクセスはこちらにまとめています。
大和市・高座渋谷の坐骨神経痛の施術(高座渋谷ポポの木整骨院)→
初回3,980円(通常7,700円・税込)/高座渋谷駅西口から徒歩3分/当日のご予約は21時まで
電話:046-267-1130/LINEで相談・予約
参考にした資料:英国国民保健サービス(NHS)「Sciatica」/日本整形外科学会・日本腰痛学会 監修『腰痛診療ガイドライン2019 改訂第2版』南江堂/Boden SD, et al. Abnormal magnetic-resonance scans of the lumbar spine in asymptomatic subjects. J Bone Joint Surg Am. 1990。文中の「月25人ほど」「約8割」「月3人ほど」は、当院の来院記録と初回の動きの確認をもとに院長がまとめた、おおよその数です。
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