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腰痛|寝ていると痛い、立つと楽な原因と対処法とは?
柔道整復師 按摩指圧マッサージ師 高座渋谷ポポの木整骨院院長:大岡 統
最終更新日:2024/04/27
‹目次›
皆さまこんにちは!高座渋谷ポポの木整骨院です。
「座っている時に感じる痛みが立つと楽になる」そんな経験したことはありませんか?実はこの症状は多くの人々が体験しています。
特に腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症など腰の部分の病気が隠れている可能性があります。
このブログでは座りっぱなしが多いデスクワーカーの人に多いお悩みについて詳しく解説していきます。
腰痛が起きるメカニズム
「寝ると痛いが立っていると楽」という症状には共通して言えるメカニズムがあります。それを理解するには、人の身体の特徴と、寝ているときと立っているときの体の負荷の違いを勉強する必要があります。以下に、この状況に関連する主要なメカニズムをお伝えします。
1. 重力と姿勢による神経への影響
- 立っているとき: 立っている状態では、脊椎は自然に伸びる傾向があり、これにより脊椎の神経通路(特に脊柱管)がわずかに広がる可能性があります。このため、神経への圧迫が減少し、痛みが軽減されることがあります。
- 寝ているとき: 逆に、横になると脊椎や周囲の構造が圧迫されやすくなることがあります。特に仰向けに寝ると、脊椎のカーブが平らになり、椎間板やその他の組織が神経に圧力をかけることがあり、痛みを引き起こします。
2. 筋肉の緊張とリラクゼーション
- 立っているとき: 立つと、体重が均等に分散され、特定の筋肉群(例えば背筋や脊柱を支える筋肉)が働くことで、均衡が取れ、神経への圧迫が緩和されることがあります。
- 寝ているとき: 寝ている間に筋肉がリラックスしすぎると、特定の筋肉(例えば梨状筋)が坐骨神経に圧迫を加えることがあります。また、筋肉の不均等な緊張が神経を圧迫し、痛みを引き起こすことがあります。
3. 骨格の異常と妊娠中の特別な状況
- 妊娠後期: 妊娠後期には、子宮の拡大が坐骨神経に直接的な圧力を加えることがあります。立っているときは、子宮の位置が変わり、圧迫が軽減されることが一般的です。
- 解剖学的変異: 腰椎すべり症などの骨格の異常は、体位によって神経への圧迫が変わるため、寝ているときの方が痛みが強くなることがあります。
これらのメカニズムは、腰痛や坐骨神経痛など特定の症状の管理において重要です。それぞれの症状に応じて、姿勢の調整、筋肉の強化、痛みの管理などの対策が有効です。
症状 | 原因 | 寝ると痛い理由 | 立っていると楽な理由 | 対策 |
---|---|---|---|---|
椎間板ヘルニア | 椎間板が飛び出し神経を圧迫 | 仰向けで寝ると、椎間板が神経をさらに圧迫するため | 立つと、椎間板の位置が変わり神経への圧迫が軽減される | 安静、薬物療法(痛み止め、抗炎症薬など)、理学療法(ストレッチ、マッサージ、運動療法など)、手術(重症の場合) |
腰部脊柱管狭窄症 | 脊柱の通路が狭くなり神経を圧迫 | 寝ていると背骨が圧迫されやすくなり、神経圧迫がひどくなる | 立つと背骨が自然に伸び、狭くなった通路が若干広がり神経への圧迫が軽減される | 安静、薬物療法(痛み止め、抗炎症薬など)、理学療法(ストレッチ、マッサージ、運動療法など)、手術(重症の場合) |
坐骨神経痛 | 梨状筋の緊張や坐骨神経への圧迫 | 寝ていると、梨状筋や他の筋肉が緊張し、坐骨神経を圧迫するため痛みが増す | 立っていると筋肉が緩み、神経への圧迫が減少する | 安静、薬物療法(痛み止め、抗炎症薬など)、理学療法(ストレッチ、マッサージ)、トリガーポイント注射、生活習慣の改善(適度な運動など) |
妊娠後期 | 子宮の大きさによる坐骨神経の圧迫 | 大きくなった子宮が仰向けに寝ると坐骨神経を圧迫するため | 立つと子宮の圧迫が減少し、痛みが軽減する | 姿勢の調整、理学療法、適度な運動、十分な休息、サイドスリーピング(特に左側を下にして寝る) |
寝ると腰痛が悪化する原因は様々ですが、適切な寝方によって症状を軽減できる場合があります。
オススメの寝方
以下に、寝ると痛い人におすすめの寝方と、それぞれのポイントをご紹介します。
1. 仰向け
- 膝の下にクッションを敷く: 膝を軽く曲げることで、腰への負担を軽減し反り腰を防ぎます。
- 腰の下にタオルを丸めて敷く: 腰椎の自然な弯曲をサポートし、腰への負担を軽減します。
- 低めの枕を使う: 首が寝違えたり、呼吸が苦しくなったりするのを防ぎます。
2. 横向き
- 痛い側を下にする: 痛い側を下にするのは避け、反対側を下にして寝ましょう。
- 膝を軽く曲げる: 膝を軽く曲げることで、腰への負担を軽減します。
- 抱き枕を使う: 抱き枕を脇に抱えることで、腰や背骨を自然な姿勢に保ち、負担を軽減します。
3. その他
- 硬めのマットレスを使う: 柔らかいマットレスは腰を沈み込ませ、腰への負担を増加させる可能性があります。
- 就寝前にストレッチをする: 寝る前に軽いストレッチをすることで、筋肉をほぐし、血行を促進します。気持ちい程度の力でゆっくりと伸ばすとより効果が得られます。
- ぬるめのお風呂に入る: ぬるめのお風呂に入ることで、筋肉をリラックスさせ、痛みを緩和します。
どの寝方が自分に合っているかは、試してみる必要があります。
腰痛悪化の予防策
また、上記以外にも、以下のような点に注意すると、腰痛の悪化を予防することができます。
- 長時間同じ姿勢を続けない
- 適度な運動をする
- 禁煙する
- 肥満解消
- ストレスを溜めこまない
腰痛は、日常生活に支障をきたす辛い症状です。
早めに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。
また、自分に合った寝方を見つけることで、症状を軽減し、快適な睡眠を得ることができます。